2024/12/11 02:10
無償の一杯が教えてくれた、心の豊かさと人の縁
「コーヒーの無料提供」という言葉を聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか? 「商売にならない」「お金をもらわない意味がわからない」と考える方もいるかもしれません。実は私自身、そんな活動を通じて、人生において本当に大切なものに気づかされました。そして、それが現在のコーヒー事業の原点となっています。
お金ではない価値を求めて
ある時、「お金を介さずに人とつながることで、何か新しい学びがあるのではないか」という考えが芽生え、コーヒーを無料で提供する活動を始めました。
最初は「なぜ無料で?」と不思議がられたり、「利益にならないことに意味はあるのか」と問われたりもしました。しかし、そこで得たものは、計り知れないほど大きなものでした。
お金を介さない場では、人は自然体で接してくれます。一杯のコーヒーを囲んで心を通わせる。その場に生まれる会話や笑顔、そして人と人の間に流れる温かな空気。これらは、お金では得られないものばかりでした。
一杯のコーヒーがつなぐ縁
この経験を通じて、私は「コーヒーには、人と人をつなぐ不思議な力がある」と確信しました。ただの飲み物としてだけではなく、その香りや味わい、そして場の雰囲気が心を開き、誰かと「縁」を結ぶきっかけを生むのです。
その後、コーヒーを提供しながら感じた日本の「おもてなしの心」や、文化としてのコーヒーの奥深さを、もっと多くの人に知ってほしいと思うようになりました。日本の精神性や美学を体現する壺焙煎や釜といった技術を通して、一杯のコーヒーに私たちの文化と想いを込めて世界に届けたい。その想いが、私のコーヒー事業の根幹となっています。
コーヒーの力を信じて
人と人をつなぎ、心を温める一杯のコーヒー。その力を信じ、私の物語はこれからも続きます。コーヒーを通じて、ただ美味しいだけではない、新しい価値を多くの人に伝えていきたいと思っています。
第一部としてのこのストーリーは、「無償の一杯」が教えてくれた心の豊かさと人との縁を描いています。これが、私のコーヒー物語の始まりです。次回は、私が開発してきた独自の焙煎技術や、アロマとコーヒーを組み合わせた新たな挑戦についてお話しします。どうぞお楽しみに!